
皆様こんにちは。フリーランス主婦のサイトウさん@Natsumi_designです。
今回は現役クリエイター6名+弁護士1名が贈る著作権入門本、2018年9月25日に発売されたトラブル解説本クリエイターのための権利の本をご紹介させていただきます!
誰もが発信者になれる今の時代、「権利」についての知識は超・大・事!ですからね。

…とか言って、サムネイルの本の写真は無断使用じゃないの?

うっ…痛いところを突かれてしまいました…
本来であれば本の表紙の無断使用は出版社や作者により意見が割れてしまうグレー行為…このことはクリエイターのための権利の本にもしっかり記載されています。
でもご安心ください!
今回の書籍紹介動画は版元である株式会社ボーンデジタルのご担当者様にお問い合わせして掲載許可をいただいております。
ありがとうございます!
ただ、このチャンネルのキーワードは「リアル」なので、「すごいポイント」だけでなく「ざんねんポイント」もきっちり紹介していこうと思っています。
そこだけ先に謝っておきます。

ごめんなさい!
私はビビリなのでこれまでに何冊も「フリーランス」や「クリエイター」関連の「権利の本」を読んでいます。
その中でもダントツに読みやすかったのが今回ご紹介するクリエイターのための権利の本!
この本を読むと…
- 権利関係のトラブルを回避するための知識が身につきます
- トラブルになってしまった場合の解決のヒントが得られます
- 自分だけでなくお客様も守れるようになります
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1 「クリエイターのための権利の本」とは?
気になるポイント その1:本の特徴は?
「クリエイターのための権利の本」は一言でいうと「活躍の場がそれぞれ異なる現役クリエイター6名+弁護士1名が現場の悩みに答える本」です。
「法律について体系的に学ぶ教科書」というよりは「困った時に開く逆引き辞書」。

あれ、こういう時どうすればいいんだっけ…
という時にさっと確認できるよう手元に一冊置いておくと安心です。
「クリエイターが実際に困りがちな事例を現役クリエイターが厳選しているので「もっと早く知っておきたかった!」となる情報の山です。
予備知識として頭に入れておくといざという時にも「あ、これ本に書いてあったアレだ」と落ち着いて対処できます。
法律の専門家が監修しているので載っている情報の信頼性が高いです。
ネットの記事だと誰が書いているのかよく分からないものも混じっていますからね…。
気になるポイント その2:誰が書いているの?
7名もいるので一言紹介になってしまいますが、全員クリエイター界隈では有名な方ばかりです…!
- 株式会社mgn代表取締役:大串 肇さん(個人的にはschooの録画授業で一方的に大変お世話になった方です)
- TIMING DESIGN:北村 崇さん
- 小林・弓削田法律事務所弁護士:木村 剛大さん
- 株式会社キテレツ代表取締役:古賀 海人さん
- 株式会社mgnエンジニア:齋木 弘樹さん
- フリーランス&株式会社キテレツメンバー:角田 綾佳さん すみだあやか(snsでは「すぴかあやか」の名前でご活躍中です)
- 株式会社MASH代表取締役:染谷 昌利さん

クリエイター版アベンジャーズ、といったところですかね…!

アベンジャーズ見たことないくせに…
写真・イラスト・デザインの章は北村さん・古賀さん・角田さん
文章・コピーの章は染谷さん…と章によって担当が入れ変わる方式です。面白いですよね。
1人で書こうとするとどうしても苦手な部分の内容は薄くなってしまいがちなのですがクリエイターのための権利の本はそれぞれの分野の専門家が分担して書いているのでどの章もボリュームたっぷりです!
気になるポイント その3:結局クリエイター向けの本なの?
いえいえ、今は誰でも発信者になれる時代…!
Facebook、Twitter、Instagram、Pinterest、YouTube、TikTok、そして黒歴史の玉手箱mixiなどなど、皆様も一度は投稿した経験があるのではないでしょうか?
身の回りにもネット上にも著作物が溢れ、しかもそれを誰でも簡単に写真に撮ったりコピーできちゃうこの時代…私も、そして皆様も著作権を侵害される危険性、そして著作権を侵害してしまう危険性と常に隣り合わせ…!

イラストやマンガを無断転載していませんか?
SNSアイコンを芸能人の写真にしていませんか?
非公式グッズを勝手に制作・販売していませんか?
「クリエイターのための」とタイトルにはありますが、ネット社会を生きる全ての人に知っておいて欲しい情報が詰まっています。
- SNSやブログで発信をしている方
- クリエイターに依頼をする機会がある方
- 商品を製造・販売する方 など
あまりにも違反者の数が多いので、実際に訴えられてしまうことは少ないかもしれませんが(それもどうなんだって話ですが…)、周囲からの評価を知らず知らずの内に地に落としかねません。

他人の権利を平気で踏みにじる人なんだな…

この人に関わるのはやめておこう…

イヤー!
トラブルになった際に一番ダメージを受ける可能性が高い「クリエイター」と「クリエイターに仕事を発注する人」に特におすすめの一冊ではありますが、クリエイター以外の方が見ても学びが深い本だと言えます。
内容紹介
目次
まずは目次をご覧ください。
1. クリエイターが権利について知っておくべき理由
- 今、権利について知っておくべき理由
2.写真・イラスト・デザイン
- 街並みなどで無関係の人が写り込んだ写真は使えないの?
- 似顔絵の著作権と人の容ぼうに関する権利
- 動物園や水族館の生き物の写真って使ってもいいの?
- 東京スカイツリーなどの写真を利用する際は許可が必要?
- キャラクターグッズが写り込んでいる写真は利用できる?
- 写真などの素材から、人物や構図をトレースするのはOK?
- レイアウトや配色を真似たら著作権侵害になるの?
- 商用フォントを使ったロゴやタイトルの著作権はどうなるの?
- Googleマップは自由に利用できる?(地図の著作権)
- ウェブサイトのスクリーンショットは自由に使えるの?
- 社内資料ならネット上の画像を使用してもいいの?
- 画像を不正に使用されないためにやっておくといい方法
- フリー素材は自由に使ってOK?
- アプリのアイコンやSNSのロゴは自由に使っていいの?
3.文章・コピー
- キャッチコピーには著作権がないから拝借してもいい?
- リライトした記事なら著作権侵害にならない?
- 商標を持つ製品名には「®」を入れなければならないの?
- どの程度の引用なら許されるの?〜著作権と引用ルール〜
- 本や新聞の紙面、表紙を撮影して掲載するのは引用にあたるの?
- 転載と引用ってどう違うの?
- メールや手紙、メールマガジンからの引用はできるの?
4.プログラムコード・ライセンス
- ウェブサイトに掲載されているコードはコピーしても大丈夫?
- オープンソースは無料で自由に使えるの?
- オープンソースを使って作ったものは販売しても大丈夫?
- ソースコードには、どの場合に、どのライセンスを選択すべき?
- 「オープンソースだから安くして」といわれたらどうする?
- ライセンス条件に違反して制作を行った場合の責任は?
5.契約・権利の所在
- 納品した成果物の著作権はクライアントのもの?
- 自分の作品を公開するのにクライアントの許可は必要?
- 納品したデザインが勝手に改変されて使われていた
- 不採用だったコンペの企画やデザインは他社に出してもOK?
- コンペで採用されなかったデザインが勝手に使われた
- 共同著作物は自分も著作者の一人だから、自由に使える?
- 在籍中に描いたイラストは、退職したら使えない?
- コピーライト表示がもつ効力は?
- プライバシーポリシーや利用規約って必須ですか?
6.トラブル発生時の対処
- ギャラの支払い遅延や未払いを防ぐために!
- 著作権侵害を発見した場合はどうすべき?
- サービス提供会社などに著作権侵害の報告をするには
- 専門家に相談してみよう
- 訴えてみよう(少額訴訟)
- 著作権を侵害しているといわれた場合はどうすればいい?
7.デジタルにおける著作権の考え方
- 著作権について説明できるようになろう
- クリエイターは著作権でどのような請求ができるのか
- ~パクられたらどうする?~ 無断利用と戦うためのコツ
ざっと眺めるだけでもドキッとした内容、あるのではないでしょうか?
例えば…
- 動物園や水族館の生き物の写真って使ってもいいの?
- レイアウトや配色を真似たら著作権侵害になるの?
- アプリのアイコンやSNSのロゴは自由に使っていいの?
- 在籍中に描いたイラストは、退職したら使えない?

全部正確に答えられる人間はなかなかいないんじゃないかにゃ…?
幸いまだお世話にはなっていませんが、実際にトラブルになってしまった時のページも、予備知識としてかなり参考になりました。
- サービス提供会社などに著作権侵害の報告をするには
- 専門家に相談してみよう
- 訴えてみよう(少額訴訟)

お客様と争いなんてしたくないです…
このまま出番が来ないことを願うばかりですね…
構成
次に構成について。
1つのお悩みに対して2~8ページで丁寧に回答していく形式です。
重要なところにはアンダーラインが引いてありますし、最後のページには必ずまとめがあるので時間がない時でもまとめさえ読めばとりあえずはOK!
「本を読むのは苦手だけどブログを読むのは好き!」という方でも抵抗なく読めると思います。
ちなみに文章も横書きです。
法律関係の本にありがちな「法律そのまま引用して文章量かさ増し」もないので、難しい言い回しに疲れて離脱…といったこともありません。
分かりやすい言葉に置き換えてくれています。
巻末には用語や目的別の索引ももちろんついています。
取り上げた裁判や問題についても一覧でまとめられており該当ページをすぐに探せるので地味に便利です。
2 すごいポイント3つ
すごいポイント その①:過去の判例の紹介が多い
クリエイターのための権利の本で取り上げられている権利関係の裁判および問題の数を数えてみました。
その数なんと71!(自分で数えたので間違っていたらすみません)
さすがに71個全ての事件についての詳細は書かれてはいませんが、概要が分かりやすくまとめられているので

権利について理解しておかないとなんかまずいことになるんだな…
という最低限のことは小学生が読んでも理解できると思います。
事件名だけでなく事件番号まで掲載されているので、ネットで検索すれば詳細を知ることだって出来ますよ。

ありがたい配慮にゃ

一時期世間を賑わわせたオリンピック・パラリンピックエンブレム事件についてももちろん取り上げられています
すごいポイント その②:お悩みがリアルすぎる
現役クリエイターである著者が実際に体験した話も盛り込まれているので、掲載されているお悩みがいちいちリアルです。
- ウェブサイトのスクリーンショットは自由に使えるの?
- 不採用だったコンペの企画やデザインは他社に出してもOK?
- 転載と引用ってどう違うの?… などなど
この辺りは一度は悩んだことがある方も多いのではないでしょうか。
私は書籍紹介動画を作成した経験が少なく、今回のクリエイターのための権利の本の紹介動画を作成する時も不安がありました。

書籍の中身はダメだと思うけど…表紙は撮りたい…どうすれば…?

目次はテキストで転載してもいいの…?

著者の紹介文は…?
そこでこの本を開き、
・本や新聞の紙面、表紙を撮影して掲載するのは引用にあたるの?
というお悩みのページを読んだところ、
「出版社によって異なるので、サイトなどにガイドラインがないか調べよう。ない場合は問い合わせよう」
といったことが書かれていました。
「趣味のYouTubeのことで出版社に問い合わせるなんて迷惑だよね…」と躊躇していたのですが、書籍に背中を押してもらう形で恐る恐る出版社にお問い合わせをし、無事に動画作成の許可を得ることが出来ました!

許可をとったのは2020年10月なのでなんと半年前…
今度は「版元さんに迷惑かけないかな…?」と心配になってしまい…

書籍紹介は小心者には難しいにゃ…
すごいポイント その③:「文章」や「プログラム」の章がある
著作権と聞くと「イラスト」「デザイン」「写真」「音楽」などをパッと思い浮かべる方が多いと思います。
でも実は文章やプログラムにも著作権があるということ…ご存知でしたか?
子供の作文、遊びで作ったプログラムにだって著作権は存在します。
クリエイターのための権利の本には「文章の章」や「プログラムの章」もあるので、「WEB制作者」「プログラマー」「ライター」「ブロガー」にもおすすめです!

キャッチコピーは著作物なの?

オープンソースって商用利用しても大丈夫?
不安になった時にさっと逆引きできるのは時間短縮になるのでありがたいですね。
3 ざんねんポイント2つ
ざんねんポイント その①:「音楽」や「動画」の話題はほぼなし
最近はスマホだけで音楽や動画も自由に発表できるようになってきましたよね。
音楽と動画についても少しでいいので触れてほしかったなーと…。

相変わらず欲張りだにゃ…
少し話が脱線してしまいますが、私はYouTubeは投稿するのも好きですが見るのも大好きで…特にゲーム実況は仕事のお供に欠かせません。
でも実はゲーム開発会社のデザイナーをしていた頃はゲーム実況を見たことすらなく、むしろ大嫌いだったんです…。

一生懸命作ったゲームがよく分からない人たちの手で晒されているー!
これって著作権違反でしょ!?
そう思っていました。
でもその後、ふとしたきっかけで
- ゲーム会社側から「シナリオのここまでなら実況OK」「このゲームは実況NG」などの発表がわざわざされている
- 宣伝のために公式がゲーム実況を依頼することもある
- ゲーム実況者がゲーム番組に出ていたりもする
…という事実を知り、「一度見てみるか…」となり見事に沼にハマったわけです。
(二次創作と同じで訴えられたら負けるグレーゾーンではあります)
著作権のことが気になって作品が楽しめない…これ、結構皆様にも身に覚えがあるのではないでしょうか?
「ゲーム実況」に限らず「歌ってみた」「弾いてみた」などのコンテンツを心から楽しむためにも権利についての正しい知識は持っておきたいものですね。
「音楽や動画の権利の本」も何卒よろしくお願いいたします!

はい、ダメ元で言ってみました
ざんねんポイント その②:付録の業務委託契約書をそのまま使うと危険
クリエイターのための権利の本には付録が2つ付いていて、URLからWordファイルを直接DLできます。
- 見積書サンプル
- 業務委託契約書サンプル
業務委託契約とは、「発注者」が「受注者」となる外部の企業や個人に業務の実施を委託することを約束する契約のことです。
詳しくは過去の記事在宅フリーランスの仕事の流れ ①受注しようでお話していますのでそちらも是非ご覧ください。
見積書の方はそのまま使用してもトラブルにはならないと思います。
問題は業務委託契約書…。そのまま使用すると「著作権譲渡する」ことになっちゃいますのでご注意ください…!
著作権譲渡とは、本来著作者の物である著作権を相手に全て渡すということです。

読まずにコピペする人のことも考えて、そこは「著作権譲渡しない」内容にしておいて欲しかった…!
著作権譲渡ってクリエイター側にとっては基本「しない方がいい」んですよ。
二次利用料などはもらえなくなりますし、競合と意図せずバッティングしてしまうのも怖いです…。
著作権譲渡はせずに利用許諾契約で問題ないケースも多いので安易に著作権譲渡にOKしないようにしましょうね。
イラストレーター・セキサトコさんのnoteがものすごく分かりやすいのでリンクを貼っておきます。
ちなみにセキさんもフリーランス主婦です。やさしい人柄がにじみでまくりのイラストや漫画が大好きで個人的に超尊敬しています…!
TwitterやInstagramでも大活躍されているので気になる方は是非フォローしてみてくださいね。
話を元に戻しまして…著作権譲渡する場合はせめて追加料金(結構な額です)をしっかりいただくことを忘れないようにしましょう!
…と言いつつ、私の場合は制作会社からのご依頼など下請けの案件は著作権譲渡&実績非公開が基本です…。
「真のクライアントとのトラブルを避けるためなので仕方ない」とのことなのですが、個人的には少し残念な慣習です…。
あ、あと直請けの案件でもロゴだけは著作権譲渡しています。
ロゴはさすがに企業側が自由に使えないと不便ですからね…。
なのでロゴの制作料には著作権譲渡分もしっかり含めています。

ロゴ制作費が一般の方から「高い!」と思われがちなのはそのためですね…
クリエイターのための権利の本の付録だから安心♪…とよく読まずにそのまま自分の契約書として使用し、追加料金もいただかずに著作権譲渡をしてしまった方がいるかもしれない…とモヤモヤしています。

業務委託契約書のサンプルはネット上にもたくさんありますが、「著作権」「二次利用」「実績公開」「支払期限」は特にトラブルになりやすいのでよーくチェックしてくださいね

一度は法律の専門家にチェックしてもらった方が安心にゃ
ざっくりまとめ
まずはじめに「クリエイターのための権利の本とは?」についてお話しました。
- 活躍の場がそれぞれ異なる現役クリエイター6名+弁護士1名が現場の悩みに答える本」です
- 「法律について体系的に学ぶ教科書」というよりは「困った時に開く逆引き辞書」です
- ネット社会を生きる全ての人に知っておいて欲しい情報が詰まっています
2番目に「すごいポイント3つ」についてお話しました。
- 過去の判例の紹介が多く、71個も取り上げられています
- 現役クリエイターが多く関わっているだけあって掲載されているお悩みがいちいちリアルです
- 「文章」や「プログラム」の章があります
最後に「ざんねんポイント2つ」についてもお話しました。
- 「音楽」や「動画」の話題はほぼありません…
- 付録の契約書をそのまま使うと危険です…!著作権譲渡する場合は追加料金を忘れずに
自分とお客様を守るために必要な「権利の情報」がぎゅっと詰まった一冊です。
「これって違反かな…?」となんとなく不安に思いつつもここまできてしまった方はこれを機に一度権利について学び直してみてはいかがでしょうか?
そして大切な人にも是非正しい知識を伝えてあげてください。
自分の身を自分で守れる人がひとりでも増えることを願っています。

私は打たれ弱いので裁判とか一生経験したくないです…
トラブルは徹底回避の姿勢で引き続き頑張ります

口ゲンカ弱いもんにゃ…
「クリエイターのための権利の本」は電子書籍でも楽しめます♪

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