
皆様こんにちは。フリーランス主婦のサイトウさん@Natsumi_designです。今回から「【初心者向け】在宅フリーランスの仕事の流れ」を3回に分けて解説します。
第1回目のテーマは受注しよう!です

なんで3回に分けるの?1回でまとめてよ
…という声が聞こえてきそうでヒヤヒヤしているのですが、申し訳ございません…どうかご勘弁を…!
受注には受注の、制作には制作の細かいプロセスがあるので、全部まとめてお話ししようとするととーっても長くなってしまうんです…。
でも仕事の流れについてはなるべくはしょらずに丁寧に解説したい!という想いが強く…。
あれは私がまだ大学生だった頃…。
趣味のイラストサイト経由でとある制作会社から初めて仕事の相談を受けました。
嬉しくて嬉しくてニヤニヤしながらもふと気づきました。

…で、この後どうすればいいの?
いきなり制作に入っていいの?
お金の話っていつするんだろう?
契約ってどうすればいいの?
結局この時は「制作の仕事は初めてで…」と正直に打ち明けて全て相手にお任せしてしまいました…。
見積書も提出していませんし、確か契約書も交わしていなかったと思います…。
請求書だけは「いいの?これでいいの?」ドキドキしながら送った記憶があります。
今思えばとても危険なことをしているのですが、なんとか納品して報酬もきちんといただくことができました。
でもこれは運がよかっただけです…!
悪い相手だった場合、報酬未払いのまま逃げられてしまう可能性も十分にありました。
「学生だから…」「駆け出しだから…」「副業だから…」と何かしらの理由をつけて仕事の進行を全て相手任せにしてしまうのはオススメしません。
自分がどう思っているかは関係なく、取引先にとってあなたはプロ!
「次はこれをして…納品はこの日で…」と先の見通しを立てて自発的に行動していかないと、せっかく仕事のご相談をしてくださった相手から、

この人と仕事をするとサポートが大変だな…次はないかな…
と思われてしまうかもしれません…。
なにより自分自身も常に「これでいいのかな…?」と不安になってしまうので精神衛生上良くないです…。

依頼主の安心のためにも!自分の身を守るためにも!
在宅フリーランスの仕事の流れはきっちり押さえておきましょう♪
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今回の記事は「在宅フリーランスデザイナーがクライアントワークを請け負う場合」のお話です。
自分でサービスや商品を作る場合の流れとは完全に異なりますのでご注意ください。
仕事の進め方は人それぞれ。
依頼内容によっても異なってきますので、このシリーズは「フリーランス全員が絶対やっている仕事の進め方」ではなく、あくまでも「サイトウさんの基本的な仕事の進め方」として参考にしていただけますと幸いです。
デザイナーでなくても、イラストレーター、ライターなど成果物を納品する職種の方にはきっと参考になる内容だと思います。
初めての相手と仕事をする際、今でも緊張してしまうのが4の「契約」です。
今回の動画で一番お伝えしたい部分でもありますので、そこだけでも見てくださると嬉しいです♪
1 仕事の相談を受ける
クライアントワークというものは大体「こういう案件があるんですけどスケジュール空いてます?」といった「相談」から始まります。
最初から厳しいお話になってしまい申し訳ないのですが、知名度も実績もない駆け出しのうちはじっと待っていても面白い仕事を相談してもらえることはまずありません…!
あなたが提供できるサービスを「自分から」伝えに行きましょう!
- 知人に声を掛ける
- ネットで公開する
- SNSで発信する
- 営業する
- クラウドソーシング
- 賞を獲る など
▽ 営業が怖い方にオススメの記事 ▽
▽ クラウドソーシングに興味がある方にオススメの記事 ▽
大学生時代の私が最初の案件をいただけたのも作品をネットで公開していたからです。
まずは「趣味の作品」でも「実績」でも「自分自身」でも何でも「自分で伝えていくんだ!」という度胸をつけるのが大事だと思います。

実績公開しなくても営業しなくても依頼は途切れないですよ
という方、時々いますが惑わされないようにお気をつけください…!
「努力してきた結果非公開の実績が揃いまくっているベテラン」だからこそできることで、「実績ゼロの新人」がマネできるスタイルではございません…。
「何も努力しなくても仕事がもらえる」なんてことはありません。
2 事前ヒアリングをする
仕事の相談が来ましたか?おめでとうございます!
ひとしきりニヤニヤしたら次に行うのが事前ヒアリング…なのですが、初めての相手の場合はヒアリング前にやっておいた方がよいことが2つあります。
- 怪しくないか調べる
- 秘密保持契約(NDA)を締結する
1つずつ丁寧にお話しますね♪
怪しい相手ではないか調べる
初めての相手の場合、私は必ず、
- 実在する企業か
- 企業やサービスに悪評がないか
の2点をチェックしています。
実在する企業かどうかは国税庁法人番号公表サイトで簡単に調べられますので活用してみてください。

もしお気を悪くされた方がいたら申し訳ないです…。
でも発注する側の方も依頼相手のことは事前にあれこれ調べているのではないでしょうか?

お互い様だと割り切って納得いくまで徹底的に調べてから話を進めた方が安心にゃ
秘密保持契約を(NDA)を締結する
ヒアリング時に社外秘の資料などをいただいてしまうこともあるので、秘密保持契約(NDA)を締結しておくと安心です。
秘密保持契約とは、取引を行う際に知ったお互いの営業秘密や個人情報などを第三者に開示しないことを約束する契約のことです。

機密保持契約、守秘義務契約ともいうにゃ
依頼主の秘密(社外秘情報など)だけでなく自分の秘密(連絡先や振込先など個人情報)も守ることができる大切な契約です!
取引内容に依存しない契約の為、最初の1回だけ締結すればOKです。
ただし電子契約書はまだまだ一般的ではなく、NDAのやり取りは郵送になってしまうことが多いので時間も手間も料金もかかるのがネックです…。
事前ヒアリング開始
NDAを無事に締結し社外秘情報も遠慮なく聞き出せるようになったら、ようやく事前ヒアリング開始です。
複雑な案件の場合は契約後に深くヒアリングをしていきますが、事前ヒアリングは「自分にできる仕事か判断する」「見積書作成に必要な情報を集める」の2つが主な目的なのでとりあえず概要を押さえることができれば十分です。

十分なのですが…その押さえるべき概要が多かったりします…
- お客様基本情報
- 制作するもの
- 納品物イメージ
- 制作の範囲
- 用途
- 提供されるもの(写真、イラスト、テンプレート、仕様書、過去データなど)
- 納品期限
- 予算
私の場合はお金の話を事前にしっかりできる依頼主とは良いお付き合いを継続できることが多いです。
とはいえ、この段階では予算が決まっていないことも多々あるので無理に聞き出さそうとはしなくても大丈夫です。
ここでひとつ残念なお知らせなのですが、契約前の作業は基本的に報酬が発生しません…。(一流な方々なら…あるいは…)
つまり今回の記事の「受注しよう!」は全て無償のパートということになります。
漏れなく、手間なく、一気に駆け抜けるためにも作業内容別にヒアリングシートを用意しておくとよいでしょう。
Googleのスプレッドシートやフォームを活用するとブラウザ上で全て完結できるのでおすすめです。

要望に応えられそうにない場合も早めに伝えた方が発注者もすぐに次の人を探しに行けるので親切ですね

どんなに忙しくても見積書は後回しにしてはいけないにゃ。
依頼主が宙ぶらりんになってしまうにゃ…
「自分でイチから作ると漏れが多そうで不安…」という方はmitsumolistミツモリストというwebサービスに「web制作」「ロゴデザイン」「ライティング」などの見積り前チェックリストが用意されているので参考にしてみると良いと思います。

ただミツモリストのチェックリストは最低限の項目しか書かれていないので、案件ごとのカスタマイズはやっぱり必要です
「ターゲット」や「想い」など丁寧にヒアリングしていきたい部分は、契約後の「協力していいもの作ろうね!」とお互い熱く燃え上がっている時に時間をかけてお聞きした方が盛り上がりますので楽しみに取っておきましょう♪
既存の取引先からのご相談で受注がほぼ確定している時は、契約成立前であってもヒアリングシートを使わずにチャットやビデオ通話で丁寧にヒアリングすることもあります。
ここらへんのお話は次の記事②制作しよう!で詳しく解説しています。
3 お見積りをする
見積書について
これからいよいよ見積書を作成していくわけですが、実は見積書にも種類があるのをご存じでしょうか?
- 見積書
- 概算見積書
- (超概算見積書)

ざっと調べてみたところ、超概算見積書というものも存在するようなのですが私はまだ作成したことがないのでご紹介できません…申し訳ないです…
印刷物、ロゴの見積書
印刷物、ロゴなどは作るものが最初から大体決まっているので精度が高い「見積書」を作成し、納品後はそのまま見積もり額の通りに請求書を作成することが多いです。
UIデザインの見積書
UIデザインはご相談の段階では仕様がまだ固まっていないことが多いので「見積書」よりも精度が低い「概算見積書」を提出しておき、請求書を送る前に改めて追加料金などの交渉をして最終の請求額を決めています。
項目や確認事項も多くなるので概算と言いつつ時間がかなりかかるのが悩みです…でもUIデザインは競合が少ないためかお見積り後に「残念ですが今回は他の人に…」となったことがないので気合いで見積もっています…!
見積書を制作する
見積書のテンプレートはネットを探せばいくつも出てきますので好きなものを選んで大丈夫です。
私は最初はマネーフォワードクラウド確定申告と連携できる見積書作成サービスを利用していたのですが、どうにもこうにも使いづらさを感じて結局Excelで自作したものを使用しています…。

数ページの見積書を制作する際に不便で…
見積書を提出する
見積書は特に指定がない限りPDFを送付するだけでOKです。(事前に確認しておくと安心です)
見積書を提出した後の残念なお話
このようにそれなりの時間をかけて見積書を作成するわけですが、提出後に結果も知らせることなく音信不通になってしまう方もいます…残念なことにこれってよくあることのようです。

私も何度か経験しています…
あまりにも続く場合は「見積りが高すぎたのか?やり取りに問題があったのか?」と原因を探った方がよいと思いますが、多くの場合は「ご縁がなかった」だけです…。

発注者は他の業務もしていて忙しいから忘れることもあるのにゃ…仕方ないのにゃ…きっと…
次のステップ「4 契約する」が完了するまでは「いつ話が流れてもおかしくない状況」ですので過度の期待は禁物です。
4 契約する
私はこれまでに関わってきた取引先の多くと業務委託契約を締結しています。
業務委託契約とは「発注者」が「受注者」となる外部の企業や個人に業務の実施を委託することを約束する契約のことです。
実は業務委託契約書の内容は法律で義務付けられていません。
発注者と受注者で相談しながら作成するので内容は様々…。
「週〇日出社」が義務付けられていたり、終了時期が決まっていたり…。

私の場合は「案件ベースでやり取りをする」契約ばかりで、月に1回案件をいただくこともあれば年に数回程度のところもあります
「所属している」という感覚は全くなく、スケジュールがどうしても厳しい場合は泣く泣く断ったりもします。

「依頼するごとに毎回契約内容を確認するのは面倒だから、最初に業務委託契約を結んどこう」くらいのノリにゃ
でもうっかり自分にとって不利な契約を結んでしまうと、自分の身を守るどころか滅ぼしてしまうことにもなりかねません。
特に「納期」「報酬の支払い」「著作権」は揉めやすいようですので何度もチェックしてください。
初めての取引先との仕事の流れ
- 業務委託契約を締結する
- (発注書/注文書が送られてくる)
- (発注受書/注文請書を送る)
- 制作スタート
はじめての取引先からお仕事の相談があった場合はまず業務委託契約の締結についてのご相談をします。
電子書類を採用している企業はまだまだ少なく、基本は郵送によるやり取りになるので時間がかかります…。
発注する仕事内容や報酬についてまとめた発注書(注文書)を送ってくださった企業は今のところ1社だけです。
送られてきた場合は慌てず騒がず発注請書(注文請書)をこちらからも送れば大丈夫です。
発注請書もネット上にテンプレートがありますので探してみてください。
これらの工程を経てからようやく制作開始となります。
既存の取引先との仕事の流れ
- (発注書/注文書が送られてくる)
- (発注受書/注文請書を送る)
- 制作スタート
対して既にNDAも業務委託契約も済ませている既存取引先からお仕事の相談があった場合はかなりシンプルかつスピーディーです。
見積りにOKが出たら契約の工程を全てすっ飛ばして業務開始することが多いです。
ただ、初めての取引先でも急ぎの案件で契約書をやり取りする時間すらないことも正直あります…。
実は契約書を交わさなくても、口約束で契約って成立しちゃうそうなんです。
でも「口約束」はトラブルのもとなので絶対にやめましょう!
- 報酬未払い
- 突然のキャンセル
- 無断加工
- 無断で繰り返される二次利用 など
どれもヒドイお話ですが、口約束だけで進行しちゃった場合は録音でもない限りは契約内容の証明が困難なため泣き寝入りになってしまうケースがほとんどだと思います…。
業務委託の場合「発注者」と「受注者」の立場は対等なはずなのですが、これでは受注者に不利すぎますよね…。
「言った言わない」を防いで自分の身を守るためにも取引内容を文書で保管しておくことが重要です。
メールやチャット(後で編集できるものはNG!)でも良いそうですが管理が面倒だな…と個人的に思います。
私はビビりなので契約書を交わせそうにない取引先との仕事は泣く泣くお断りさせていただくことが多いのですが、どうしてもな場合は「見積書の備考欄」にトラブルになりやすそうな項目をあらかじめずらずらーっと記入しておくようにしています。
- キャンセル料について
- お支払いのタイミングについて
- 没案の取り扱いについて
- 著作権について
- 二次使用について
- 経費について
契約書が省略されても見積書が省略されることはほぼないですし、メールやチャットよりも後々見返しやすいのでおすすめです。
ざっくりまとめ
まずはじめに「仕事の相談を受ける」について説明しました。
- 「あなたが提供できるサービス」を自分から伝えに行きましょう
- 「自分で伝えるんだ!」という度胸が大事です
- 「何も努力しなくても仕事がもらえる」なんてことはありません
2番目に「ヒアリングする」についてお話しました。
- 初めての相手とは最初にNDAを結んでおくとお互いに安心です
- 仕事内容別にヒアリングシートのテンプレートを作成しておくと時短になります
- 「ターゲット」や「想い」などは契約後にじっくり聞きましょう
3番目に「お見積もりをする」についてお話しました。
- 「見積書」「概算見積書」「超概算見積書」を使い分けましょう
- 見積書はネットのテンプレートでも自作でも何でもOKです
- 見積書提出後の音信不通は残念ながらあるあるです…
最後に「契約する」についてお話しました。
- 初めての相手とは業務委託契約を締結しておくと安心です
- 口約束はNGです!契約内容は文書で保管しておきましょう
- 見積書の備考欄を活用するのもおすすめです
せっかく初めて仕事の相談がきたのに、流れが分からずにあわあわしている間に「やっぱりいいです…」となってしまってはもったいないですよね。
かといって焦るあまりに契約関係をすっ飛ばすのは大変危険です!
お客様と良いお付き合いを続けていくためにも、安心して制作に集中するためにも、契約内容をいつでも確認できるようにしておくのってやっぱり大事です。
この動画に出てきた難しい単語、例えば「見積書」「NDA」「業務委託契約書」などはググれば法の専門家による解説がたくさん出てきますので、そちらも一度見てみることを強くおすすめいたします。
明らかに怪しい相手だったリ仕事内容だったりした場合は断る勇気も大事ですよ…!
フリーランスは「自由」と引き換えに「全て自己責任」という十字架を背負っています。
自分をの身を守るためには「警戒心が強すぎる」くらいでちょうど良いのかもしれませんね。

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