
皆様こんにちは。フリーランス主婦のサイトウさん@Natsumi_designです。
今回のテーマは【初心者向け】在宅フリーランスの仕事の流れ② 制作しようです
前回の記事フリーランスデザイナーの仕事の流れ① 受注しようの続きになります。
①を見ていなくても大丈夫ですが、順番に見た方がより理解しやすい内容となっておりますのでお時間があるときに是非①も見てみてくださいね。
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私はデザイナーなのでどうしてもデザイナー目線のお話になってしまいますが、イラストレーターやライター、カメラマンなど成果物を納品する職種の方にも参考になると思います。
仕事の進め方は人それぞれ、依頼内容によっても異なってきますので、このシリーズは「フリーランス全員が絶対やっている仕事の進め方」ではなく、あくまでも「サイトウさんの基本的な仕事の進め方」として参考にしていただけますと幸いです。

納期が短い場合は特に、複数の項目が同時進行になったり順番が入れ替わったりもしますからね…

そもそも単純作業のみの場合は「いきなり納品データどん!」を求められることもあるにゃ

私のお客様はじっくりが好きな方が多いのでほぼありませんね。
兎にも角にも合言葉は「臨機応変」で何卒よろしくお願いいたします。
在宅フリーランスの仕事内容に興味がある方、まだ駆け出しで仕事の進め方に不安がある方は是非最後まで見てくださいね。
1 深くヒアリングをする

契約前にもヒアリングしてたよね…?
と不思議に思われる方もいると思いますが、事前ヒアリングと契約後のヒアリングでは目的が異なります。
- 自分にできる仕事か判断する
- 見積書作成に必要な情報を集める
- お客様の想いを引き出す
- 制作に必要な情報を集める

契約前と契約後ではヒアリングの目的が違うので当然質問内容も変わるというわけです
- ターゲット
- キーワード
- トンマナ(色、フォントなどのルールのことです)
- 具体的な文言 など
- 制作の意図
- どう見られたいか
- アピールポイント
- 具体的な目標 など
契約前の事前ヒアリングではあえて聞かなかった「お客様の希望をカタチにするための質問」ばかりなのがなんとなく伝わりましたでしょうか?

最初の提案書を作るために足りない情報はなにか?を考えながら質問をまとめていくとよいと思います

概要は事前ヒアリングで既に聞いているはずなので、忙しい相手に同じ内容を2回聞いたり、自分自身の考えがまとまらないまま全部質問したりしないようお気をつけくださいね

でも「これでいいのかな…?」と不安要素があるまま勝手に走り出すのが一番危険だから迷ったときは「お忙しい中失礼します」と一言添えてサクッと聞いた方が安心だにゃ
契約後のヒアリングはヒアリングシートを使うよりもチャットやビデオ通話でお話しながら流れるように聞いた方が「一緒に協力していいもの作ろうねー!」という気分が盛り上がりますし、外注に慣れていないお客様相手の場合は特にサポートしながら話を進められる分、結果的に時短になることが多いです。
ヒアリング終了後にひと手間になってはしまいますが、内容を文書にまとめて共有しておくとお互いに見返しやすく「言った・言わない」も防げてよいですね。
SNSなどで時々、

○○も知らずに依頼するとかないわー…
みたいなお客様に対する愚痴を見かけますが、これは「私はお客様に寄り添う気は全くございません!!」と公言しているようなものなので控えたほうがよいのでは?と陰ながらヒヤヒヤしています。
昔、私が初めてスタバに行った時、トールやらグランデやらのサイズが全く分からず、

い、い、一番人気のサイズはどれですかっ…!?
…と、ちょっとずれた質問を店員さんにしてしまったことがあります。
その時の店員さんは笑ったりせずに各サイズの違いについて分かりやすい言葉で丁寧に教えてくれました。

嬉しくて嬉しくて、その後も何度か通いました!
でももし店員さんに陰で「トールも知らない客が来てさー」と笑われていたとしたら…?
二度と行きたくなくなりますよね。
家族や友人にだけでなく、SNSでも「今日スタバでイヤなことがあってね…」と愚痴ってしまっていたかもしれません。
外注に慣れていないお客様は「何をどう依頼すればいいか分からない」状態になってしまっていることが多いですし、普段使用しない用語なら知らないのも普通です。

場合によってはあれこれ質問するのを一旦やめてスケジュールから何から受注者主導で決めていく臨機応変な対応力も必要ですよ
2 下準備をする
「なんかイメージと違うような…」といったお互いに精神を削るような曖昧な修正は極力減らして、その分の時間をお客様の満足度アップやクオリティアップに費やしたいですよね。
手を動かす前にお客様と「イメージの共有」をしておきましょう。
イメージの共有をする
でも言葉や文章だけでイメージを共有するのって難しいですよね…。
以前はお客様に希望のイメージに近い画像を探してもらうように頼んでいたのですが、

画像検索をして希望のイメージに近い画像を3点ほど教えて下さい

探しました!こんなイメージです!

これは明らかに今回の案件に不向きだぞ…!
どうしよう…忙しい相手に「もう1回探して」なんて頼みづらい…
という事態に陥りがちなのが悩みのタネでした。

かと言って一緒に画像検索するのも時間がかかり過ぎるし…
何か他にいい方法は…
と考えて行き着いたのがムードボードです。
説明するよりも見たほうが分かりやすいと思うので、試しにpinterestを利用して簡易的なムードボードを作成してみました。
- 化粧品
- 夏
- 海
- 青/黄/緑
- 爽やか
- 元気
- 植物・果物
- オーガニック
- 20代前半の女性向け
▽ サンプルムードボード ▽

具体的な商品やサービス名が映るとまずいかな…とフリー写真のみで作成したのでイマイチ伝わりにくいかもですが、それでもキーワードの羅列よりもムードボードもあった方がイメージが掴みやすいと感じた方が多数だと想います。
もともと制作会社経由の案件だとExcelでムードボードが「ロゴ」「カラー」「レイアウト」など項目ごとにがっちり用意されていることもあるので馴染みはありました。
ムードボードがあった方が断然制作が捗る!という実感もありました。

あやふやな修正が減ります♪
でもネット上の無数の画像から希望に近いものを探す作業を負担に感じているお客様も多く、ムードボードをイチから用意してもらうのは難しく…。

だったらpinterestとか使ってお客様と一緒にさくっと作ってもいいんじゃない?
と閃いて実践してみたところ、自分が想像していた以上にうまくハマりました!
時間に余裕がある案件の場合は、イメージの共有をするためにムードボードを一緒に作る作業を是非取り入れてみてください。
- お客様の希望に合いそうな画像を並べておく(お客様が用意したものを混ぜてもOK)
- お客様と一緒に選んでいく
- 不要な画像を削除してムードボード完成
これをzoomなどで画面共有しつつやると初対面同士でも盛り上がりやすいので大変助かっています。
もちろんメールやチャットでも大丈夫です。
この方法で面白いのが「不要な画像」も後々の制作に役立ってくるという点です。

あれ、作り込んでいくうちに「不要な画像」に似てきたな…?
と感じたら方向性がずれてきている合図です。
素材を集める
イメージの共有ができたら、制作に必要な素材をお客様と協力して地道に集めていきましょう。
- 写真素材
- イラスト素材
- フォント
- 過去の制作物
- テンプレート
- 各種ロゴ など
ここでひとつ注意なのですが、お客様の中には著作権等に疎い方ももちろんいらっしゃいます。

ご提供いただいた素材はどこから入手されたものでしょうか?
と素材の入手元を必ず聞くようにしてください。
なぜ入手元が重要なのかというと、素材の利用規約がまちまちだからです。
商用不可かもしれませんし、そもそも素材として配布されていないものかもしれません。
もし「分かりません」と返答がきてしまった場合は自分で画像検索などを駆使して調べ、それでも分からなかった場合は「この素材は残念ですが使用できません」とはっきり伝えましょう。

ただ「使えません」と伝えるだけだと「じゃあどうすればいいんじゃー!」となってしまうので、「代わりにこちらはどうですか?」という提案もセットでできると良いですね
もし誰かの権利を侵害してしまった場合、最悪裁判になって自分だけでなくお客様の評判まで地に落としてしまう可能性がある超危険行為だということをご理解ください…!

誰もが発信者になれる今の時代、クリエイターでなくても著作権の勉強は必須にゃ
3 提案書を作成する
下準備が終わったらいよいよ手を動かしていきます。
ここまで丁寧に進行できていれば、あなたの頭の中にはもう完成までの設計図が既に出来上がっているはずです。
でもただ、

出来ましたー!これです!!
と制作データだけを提出しても、普段デザインの仕事に関わっていないお客様の場合は、

いいのか悪いのか分からない…
と困惑してしまうこともあると思います。
提案書を作成しましょう!
※繰り返しになりますが単純作業の場合は提案書不要です
提案書について
- 後で見返しやすい
- お客様側で共有しやすい
- 制作のコンセプトなどを伝えやすい など
最初にご提案するモノは仕事内容によって大きく異なりますが、「私はお客様の希望するイメージを理解した上で提案しています」「制作コンセプトもメリット・デメリットもお伝えします」という意思を伝えるためにも提案書は用意しておいた方がよいと思います。
- 印刷物、ロゴ、イラスト→ラフ
- アニメーション→絵コンテ、イメージボード
- UI、WEB→ワイヤーフレーム、簡易プロトタイプ、画面イメージ数案など
- 共通のコンセプト
- 案ごとのコンセプト
- 発注者にとってのメリット・デメリット
- ユーザーにとってのメリット・デメリット など
私の場合は印刷物、ロゴ、イラストの提案書は表紙は付けずに1案ごとにA4横1ページでまとめることが多いです。

展開例や細かな仕様なども付けたい時は別ページにまとめています
UIやWEBの場合は制作会社経由だったりチームで作業をすることが多いので今のところ特に提案書を作成することもなく制作に入っていますが、もし一人でイチから全部…という場合は数十ページの提案書を作成することになると思います…。
提案書作成の時間もお見積もりに含めることを忘れないようにしたいですね。
ご提案する案について
「要望通り案」「アレンジ案」「オリジナル案」の計3つをさっとご提案するのが私の中では理想です。

「アレンジ案」「オリジナル案」がどれだけ素晴らしいものだったとしても、それだけをポンと出すのはNGです…!
お客様目線になって考えてみてください。
赤系の情熱的なデザインを希望していたのに、青系でまとめたクールなデザインがひとつだけ送られてきたらどんなにかっこよくても「え…」ってなりませんか?

依頼内容を理解できていないのかな…?頼む人間違えたかな…?
と思われてしまったら最後、二回目のご相談が来ることは残念ながらないと思います…。
他の案と比較していただくためにも「要望通り案」は絶対に必要なので、まずはじめに着手しましょう。
提案書が完成したら全部まとめて1つのPDFデータに変換して、相手の希望する方法で送っています。
最初の提案が速いと、その後の修正が多少遅くなってしまっても「あの人は仕事が早いから大丈夫だろう」と思ってもらえる(気がする)ので、提案書はなるべく集中して一気に形にしてしまうことをオススメします。
会社員→フリーランスの落とし穴
実は私が「提案書」の重要性に気がついたのはフリーランスになってから半年後ぐらい…。
それまでどうしていたのかというと「提案書を作成する」という概念すらなく、pngやjpgのデータに直接「A案」「B案」とか書いて送っていたんです…。
「A案は○○で~B案は××で~」とコンセプトなどの情報はメールやチャットに直接書いていました…。
これでも伝わるといえば伝わるのですが不親切です。
- 後で見返しづらい
- 社内での共有にもひと手間かけさせてしまう

その節は大変申し訳ございませんでした…!
一応言い訳をしておきますと、会社員時代はそもそも提案書の提出を求められたことがなく、制作だけしていればOKな環境でした…。

2社とも周りを見渡せばほぼデザイナーという環境でした
独立後も制作会社経由の案件ではデータのみを求められることが多く、SNSで提案書の話題を目にするまで全く気が付かなかったんです…。
(私だけかもしれませんが)分業化が進んだ会社で働いていた方、制作会社経由の案件が多い方は「フリーランスのお作法」が部分的にすっぽり抜けている可能性がありますのでお気をつけください…!
もしこのシリーズでも「あれ、抜けているぞ?」という部分があれば教えていただけると大変ありがたいです。
4 修正する
「制作しよう」のパートで一番ドキドキするのは「最初の提案書のフィードバックを見る時」ではないでしょうか。
フィードバックのパターンは大体3通りです。
- 1発OK(ほとんどなし)
- 修正・追加の要望
- なんかイメージと違うような…
この段階での一発OKは「次に進んでいいですよ」という意味でのOKです。
制作は提案して修正してOKもらってまた提案して…の繰り返しです。
修正や追加の要望が来た場合も、「うぉぉぉぉぉーーーー!!!!」とどんどん対応していきましょう。
「これでいいか」と妥協することなく、要望をまっすぐに伝えてくださるお客様は大変ありがたい存在です。
こちらもその気持ちに応え、良いアイデアが浮かんだら積極的に提案し、「おかしいな」と思ったことはまっすぐに伝えるようにしたいですね。
修正する時に「自分ならこうする…」と思ったとしても、最初の提案と同じで「要望通り案」は必ず作成しましょう。

「要望通り案」あっての「アレンジ案」「オリジナル案」であることを忘れないようにするにゃ
「2 下準備をする」でもお話した「なんかイメージと違うような…」が一番恐ろしいです…。

全ての案が刺さらなかったということ…
つまりは「全滅」を意味します…。
これまでにご紹介した工程に丁寧に沿って進めている場合はどの案も見当違いになってしまうようなことはそうそうないとは思います。
でも時間や予算の都合でヒアリングやイメージの共有をすっ飛ばしてしまった場合は全滅の可能性もその分高くなってしまいます…。

お互いにイメージが曖昧なまま闇雲に再提案をするよりは、一度仕切り直して深くヒアリングするところから再スタートした方が結果的に早いかもしれませんね…
具体的な制作のお話を楽しみにしてくださっていた方…もしかしたらいるかもしれませんね。
ごめんなさい…!今回は省かせていただきますね。
名刺など比較的短い期間で終わる仕事と、UIなど比較的長い期間かかりきりになる仕事を同時にお話するのはとても難しいのです…ご了承ください。
ざっくりまとめ
まずはじめに「深くヒアリングをする」について説明しました。
- 主な目的は「お客様の想いを引き出す」「制作に必要な情報を集める」の2つです
- ヒアリング終了後に内容を文書にまとめて共有しておくことをおすすめします
- 不慣れなお客さまのサポートも大切な業務のひとつです
2番目に「下準備をする」についてお話しました。
- ムードボードを作成してイメージを共有しましょう
- pinterestなどを利用して一緒に作るのもおすすめです
- 提供素材の入手元を把握し利用規約を確認しましょう
3番目に「提案書を作成する」についてお話しました。
- 最初の提案書だけはなるべく早く送りましょう
- 3案ほど作成して比較できるようにしましょう
- コンセプト・メリット・デメリット・展開例・仕様なども載せましょう
最後に「修正する」について振り返ってみました。
- お客様からOKがもらえてはじめて次に進めます
- 修正や要望が来た場合はどんどん対応していきましょう
- 最初の提案と同じで「要望通り案」は必ず作成しましょう
一般の方が「クリエイターのお仕事」と聞いてぱっと思い浮かぶのは「3 提案書を作成する」「4 修正する」のように手を動かす工程ではないでしょうか?
実際そこが一番時間も手間も掛かる工程ですし、なにより華やかに見えますし、分業化が進んでいるある程度大きな会社の場合は勤務時間中ずっと制作なこともあるので仕方ないことではあります。
でもフリーランスにとっては前回の「受注しよう」でお話した営業や事務作業、1のヒアリングや2の下準備などの地道な努力も大事なお仕事!
私自身フリーランス歴は浅いためフリーランスならではのお作法はまだまだ勉強中の身です…。
デザインスキルは当然として、ヒアリングの仕方や提案書の構成などのスキルもアップしていきたいですね。
お客様に「サイトウさんにお任せしてよかった!」と思ってもらえるよう引き続き精進します!

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